【青森ワッツとB.革新】ホームゲームに1500人必要な理由
青森ワッツをご存知でしょうか?青森県在住の方なら名前は知っていると思います。「ああ、青森のバスケチームだよね」と。しかし、名前を知ってはいるものの会場に足を運んで青森ワッツの試合を見たことがある方はまだまだ少数だと思います。その青森ワッツが今シーズン(2024-25)、ホームゲームでの入場者数が平均で1500名にならないと大変なことになってしまいます。青森ワッツが2026から始まる新リーグのB.LEAGUE ONEの舞台に立つことができなくなるのです。この記事では1500名必要な理由とB.革新と掲げられている2026シーズンからの新リーグ構想の説明をします。
なお、筆者は青森ワッツブースター(青森ワッツのファン)ではありますが、バスケのルールやBリーグの歴史はまだまだ勉強中ですので、記事の内容に誤りがありましたらコメントやSNSのDMなどで教えていただければ幸いです。
青森ワッツとは
青森ワッツは2012年に誕生した青森県初のプロバスケットボールチームでbjリーグに2013-14シーズンから参入しています。その後bjリーグとNBLが統合され2016-17シーズンからは現在のBリーグ(B.LEAGUE)のB2で戦っています。
BリーグはB1, B2の2部構成(B3もあるが別組織)で青森ワッツは今シーズンB1への昇格を目指しています。
Bリーグとは
Bリーグとは、日本の男子プロバスケットボールリーグです。2016年にbjリーグとNBLを統合して発足しました。2024-25シーズンでは青森ワッツはB2東地区に所属しています。
Bリーグ全体像
2024-25シーズンではB1に24クラブ、B2に14クラブ、B3に17クラブ参入しています。
BリーグとB3には2024-25シーズンでは北海道から沖縄まで全41都道府県の全55クラブあり、クラブが存在していない宮崎県、大分県、高知県、鳥取県、和歌山県、山梨県でも2028年までにクラブが誕生することを目指しているようで、全国で地域での子供達へのバスケ指導のサポート体制をつくることを目的としているようです。
全県制覇について詳しくはこちらの島田信二チェアマンのNOTE記事で↓
B2からB1へ昇格するには
B2の青森ワッツがB1へ昇格するにはどうすればよいのでしょうか?B2からB1に昇格するにはレギュラーシーズンのリーグ戦全60試合で上位クラブ8チームに入りプレーオフの出場権を得る必要があります。その後トーナメント方式のプレーオフで勝ち上がった上位2チームがB1に昇格できます。単に勝利する以外にもB1のライセンス条件を満たす必要があるようですが、詳細は割愛させていただきます。要はとにかくたくさん勝つ必要があるということですね。
なお2024-25シーズンではこの後紹介する2026年のB.革新を見据え、2024-25シーズン終了後にはB2からB1およびB3からB2に上位各2クラブが自動昇格することとし、降格は行わないようです。
青森ワッツは2024/11/26時点で7勝10敗のB2東地区7チーム中6位でB2全体の勝率では11位とプレーオフ出場圏にはいない現状ですが、上位チームへ勝つ爆発力も発揮していますし、会場でプレーを見ると今シーズンまだまだ巻き返してくると予感させる試合をしています。
B.革新とは
さて本題の1500名必要な理由がこのB.革新です。B.革新とはBリーグ発足10年の節目の2026年に行うリーグ大改革の呼び名です。ブースター目線でここは重要と思う変更点をかいつまんで説明します。詳しくはこちらのB.革新の特設サイトで↓
こちらのYoutubeでも島田チェアマンがB.革新について詳しく説明されています↓
B1, B2, B3の呼び名が変わる
各リーグの呼び名と条件は以下の通りです。入場者数と売上規模が求められ、チームの運営母体には一定の経営基盤が求められるようです。後述しますが、青森ワッツは現B2水準のB.LEAGUE ONEの基準を満たせるかどうかという状況にいます。
- B1→B.LEAGUE PREMIER(Bリーグプレミア)~本気で世界の頂点へ~
- 入場者数:4,000名
- 売上基準:12億円
- アリーナ基準:5,000席など
- B2→B.LEAGUE ONE(Bリーグワン)~バスケを国民的スポーツへ~
- 入場者数:2,400名(仮入会条件1,500名)
- 売上基準:4億円
- アリーナ基準:3,000席など
- B3→B.LEAGUE NEXT(Bリーグネクスト)~バスケを国民的スポーツへ~
- 売上基準:1億円
- アリーナ基準:3,000席など
勝敗による昇格降格がなくなる
B.革新ではこれまでのリーグとは異なり勝敗によるリーグの昇格、降格がなくなります。経営が安定してチームの持続可能性があるかという点が評価されるようです。青森ワッツも入場者数や売上の基準さえ満たせば現B1水準のB.LEAGUE PREMIERに参入できるわけです。
これは競技成績による昇降格があると、勝つためにチームへの投資が優先され、地域貢献のための事業への投資が後回しにる可能性があるからだそうです。Bリーグは地域を元気にすることを目指していることからくる制度設計のようで、この意義はすごく共感を呼ぶと思います。
サラリーキャップの導入
B.革新ではサラリーキャップを導入するそうです。サラリーキャップとは所属する選手に支払う年俸総額に上限を設ける制度です。これによってオーナー企業の資本力による戦力の偏りがなくなるので白熱した試合が多くなり盛り上がる試合が増えるそうです。どこのチームが優勝するかわからない状態にしたいと島田チェアマンがおっしゃっていました。バスケはアップセット(弱いチームが強いチームに勝つこと)が起こりにくいというのが課題のようです。
青森ワッツは選手がコーチや通訳を兼任していたりするので、どちらかというと資金力がないチームだと推察しています。この改革は資金力のあるチームに集中していた有力選手が各チームに散ることになるので、資金力がない青森ワッツにとっては相対的に有利に働くのではないかと思います。
ほかにもドラフト制や選手のシーズン中のチーム間移籍が増えるような仕組みが出来上がるようですが、これがどう影響してくるかはいまいちピンと来ていないのでもう少し勉強します。ブースターとしては推しの選手がシーズン途中で移籍してしまわないか心配です。
青森ワッツはB.革新でB.LEAGUE ONEの基準を満たせるのか?
その青森ワッツは現B2水準のB.LEAGUE ONEの基準を満たせるのでしょうか?各基準についてみていきます。
売上基準4億円は満たせそう
青森ワッツは2024年3月に当時のオーナー企業の破産があり、チームの存続が危ぶまれていましたが、青森ワッツブースターやBリーグ他チームのブースターの応援、新オーナー企業が見つかるなど奇跡のような復活劇があり、チーム存続に至っています。そんなこともあり、お金がないイメージだった青森ワッツですが、蓋を開けてみると直近の2023-24シーズンは黒字で売上高も4億5千万円強と4億円を超えていました。この調子なら売上基準4億円はクリアできるのではないでしょうか。
アリーナ基準3,000席も満たしている
青森ワッツのホームアリーナであるカクヒログループスーパーアリーナ(青森市総合体育館)の収容人数は3,500人なので、3,000席の基準も満たしています。このアリーナは2024年7月にオープンした新しいアリーナで、照明での演出が凄かったり、コートとの距離が近く感じられたりとすごく工夫されたつくりなのでぜひ足を運んで青森ワッツの試合を見て欲しいです。
【超重要】入場者数の1,500人は満たせなさそう・・・
残念ながらB.LEAGUE ONEの入場者数の基準2,400名の基準は満たせていません。仮入会条件の1,500名も満たせていません。仮入会の条件は「2023-24シーズンまたは2024-25シーズン3月末時点の平均入場者数が1500人以上」です。青森ワッツは2023-24シーズンでは平均入場者数を満たせていないため、仮入会のために「2024-25シーズン3月末時点の平均入場者数が1500人以上」を目指す必要があります。
2024-25シーズンが始まり11月17日の信州ブレイブウォリアーズ戦までで青森ワッツのホーム平均入場者数は1,340人です。2025年3月末までにホームゲームは残り17戦あります。リミットは残り17ゲームです。この17ゲームで1試合あたり1,584人の入場者数を達成しないと仮入会条件をクリアできない計算です。
青森ワッツの試合は県内各地で行われるため、開催地によって人が集まりやすいゲームとそうでないゲームがどうしても生まれてしまいますが、県庁所在地の青森市開催のゲームだけでも平均1,500人は超えておらず1,468人です。この1,500人という基準を知らない方も多いと思うので、少しでも多くの方に知っていただいて、会場に足を運んでいただきたいと思います。
1,500人を超えないと大変なことになる
今シーズン最も白熱したゲーム11月16日(土)信州ブレイブウォリアーズ戦後の池田選手のスピーチがとても印象に残っています。「空席が目立っているところを何とか埋めていただきたい。お客様を呼んでもらうためにも皆さんの頑張りも必要」と言っていました。池田選手はB2屈指のポイントガードで、昨シーズンはB2のアシスト王のタイトルを獲っている凄い選手です。2024-25シーズンもアシストもするし点も取るしで青森ワッツの中核選手として大活躍しています。他のチームに移籍してもおかしくないような選手が青森に残ってくれていると思っています。そんな選手にこんなことを言わせてしまっている現状が青森の住人としてすごく悔しく、何とか選手に集客の心配はなくゲームに集中して欲しいと思いこの記事を書くに至りました。
翌日の11月17日(日)信州ブレイブウォリアーズ戦の開始前にMCの小倉さんも「1,500人いかないと大変なことになる」とおっしゃっていました。大変なことが何を指しているかはわかりませんが、私は「青森からプロスポーツの熱が冷めていく」「オーナー企業の意向でワッツが青森から撤退する」とかB.LEAGUE ONEの条件を満たせないことから起こり得るいろんなネガティブな可能性を想起しました。まだまだ巻き返せるので、大変なことを避けるためにもできる限り会場に足を運ぶつもりです。
青森ワッツの魅力
さて、いくら1,500人いかないと大変なことになると言われても、青森ワッツを見たことがない人からしたら会場に足を運ぼうとは思わないので、青森ワッツの魅力をワンプレイだけBリーグ公式のインスタグラムの投稿から紹介して伝えます。
リーグ戦開幕前のTOHOKU CUPの秋田ノーザンハピネッツ戦のマックス選手のダンクシュートです。池田選手のノールックパスからマックス選手が秋田の外国籍選手の上からダンクシュートを決めています。
クレイジーすぎます。B1の秋田相手にこんなとんでもないプレイを決めてしまうのが青森ワッツなのです。青森ワッツの試合を会場で見るのは6年ぶりくらいだったのですが、このプレイで完全に心を掴まれてしまいました。
池田選手、マックス選手だけでなくほかの選手の紹介もしたいのですが切りがなくなるので、別の記事にしたいと思います。選手のプレイだけでなく、MCもブースターもブルーリングス(チアチーム)もデッチ(マスコットキャラクター)もとにかく魅力が盛りだくさんなのでぜひ会場に足を運んで青森ワッツの魅力を肌で感じていただきたいです。
実はにわかブースターです
ここまで書いておいてなんですが、私は青森ワッツを熱心に応援し始めたのはつい最近です。バスケのこともよくわかりません。スラムダンクとあひるの空と黒子のバスケでなんとなく知っているくらいです。6年位前も何回か見にいったことがありますが、負け試合が多いこともありそこまで熱心になれませんでした。その後青森を離れ、青森ワッツを見る機会もなくなり、なんとなく試合結果や選手の移籍情報をチェックする程度でした。「プレーオフ進出!」「オーナー破産!存続危機」とかいい意味でも悪い意味でも盛り上がってるなとどこか遠巻きに青森ワッツを見ていました。今年TOHOKU CUPを見に行ったのは本当にたまたまだったのですが、そこからまた興味を持ち始め、「負けてても選手入れ替えたりしててまだなんかやってくれそうで面白いな」とか「選手めちゃくちゃ頑張ってる(感動)」とか「ブースターの声援すごい!」とか思うようになり、どんどん青森ワッツの魅力に引き込まれている成長途中のブースターです。とにかく面白いので、そんなに身構えずに会場に足を運んでいただきたいです。この記事が青森ワッツの試合会場に足を運ぶきっかけになればと思います。
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